ハイドロリリースとは

ハイドロリリース

筋膜とは筋肉を包み込んでいる膜のことで、その膜はいくつかの層(浅筋膜、深筋膜、筋外膜、筋周膜、筋内膜)で構成されています。筋膜は、筋肉(組織)同士の摩擦を防ぐ、筋線維の動きを支えるなどの働きをしているのですが、日頃から姿勢が悪い、偏った動作ばかり継続している(PCによるデスクワーク など)、筋肉を酷使するなどすると筋膜は癒着するようになって、癒着や肥厚が起きるようになります。すると筋肉そのもの動きが妨げられるようになって、肩こりやトリガーポイント(しこりのようになっている部分で、押すと痛みが拡散する)がみられるようになります。

このような痛みを解消させるには、癒着してしまった筋膜の層を引きはがすなどして、再び滑らか(スムーズ)にする、つまり正常に戻す必要があるのですが、この方法のことをハイドロリリース(筋膜リリース)と言います。

効果のある疾患

肩こり、腰痛、靱帯ではアキレス腱炎やジャンパー膝等のスポーツ障害、神経周囲では肘部管症候群や手根管症候群、頚椎症性神経根症等、効果が期待できる疾患は様々なものがあります。

ハイドロリリースの流れ

ハイドロリリース
  1. 問診や診察から痛みの原因となっている筋肉・筋膜や神経の部位に目星をつけてエコーを当て、痛みの原因となっている部位を探します。
  2. リリース部位を決めます。
  3. エコーを使って注射の針先を目的の部位にピンポイントで誘導し、薬液を注入する事で物理的に筋膜や神経の癒着をはがします。

筋膜リリース注射を行う際は、まず筋膜の層が癒着している部分を把握するために超音波検査を行います。この画像検査によって癒着あるいは肥厚している部位をしっかり確認してから、薬液や生理食塩水を注入していきます。これによって癒着した筋膜が引き剥がれるようになります。なお持続的な効果を期待される場合は定期的に受けるようにしてください。

治療後に気を付けること

ハイドロリリース

ハイドロリリースにより一時的に痛みが消失しても、生活習慣や身体の使い方が変わらなければ症状は繰り返し出現します。
運動療法との併用で筋肉をつけ、正しい姿勢を保持する事で症状の再発の可能性を下げることが出来ます。
当院ではハイドロリリースを行った後、状況に合わせてリハビリテーションによる治療を加え更に効果を高めるようにしています。運動療法だけでなく、生活環境や動作に関してのアドバイスもしています。